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『タイトル未定』

第4話

2人について行くとそこは廊下に囲まれた中庭だった
かなりの広さがある、普通の家なら2軒はゆうにはいりそうだ
そこにポツンと1つだけ置かれた椅子に女性はどっしりと腰掛けた
「さっさと始めな!お互い殺すつもりでいくんだよ!」
そう言うと女性はまた酒を飲み始めた
「また…あなたって人は…」
そう言うと男は両手を前にだした
……
一瞬だった…かなり強い魔力を感じたと思ったら僕は生い茂った芝生に倒されていた
「なにやってんだい!魔王クン、本気だしな!」
女性はそう言うとまた酒を飲みだした

なにを言っているんだ、僕は自分の意思で魔法をつかった事すらないというのに…かなうわけがない、そんなこと戦う前からわかってたはずだ…なのに何故戦わせる…
「オイ!お前!やっちまいな!」
女性が弟子を急かす、なにやらかなりイライラしているようだ
「わ、わかりました…」
弟子はそう言うとまた両手を前にだした

熱い…熱い…死ぬ…このままだと殺される…
すごい恐怖心を感じたその時
コロセ…コロセ…殺せ!
またあの声が聞こえてきた
そして僕は意識を失った

「オイ!いい加減おきな!」
女性の声で目が覚めた
どれだけ時間がたったのだろう
「あ、あの、ぼく…」
僕は死んだんじゃないのか、生きている、
どうして?
僕の疑問を察した女性が酒を片手に説明をはじめた
「安心しな、死んじゃいないよ!しかしやっぱりだったか…」
「やっぱり?」
「あぁ君の魔王の力の事だよ…
どうやら発動源は憎しみや恐怖心といった負の感情みたいだ、私が止めなかったら弟子は無傷じゃすまなかったよ、魔王は負の感情を喰いその人間そのものをのっとると聞いたことはあったが、本当だったとは…
君はもう魔王の力を使わない方がいい」
…負の感情、確かに今まで魔王の力がでてくるのは死ぬ恐怖心を感じた時だった…
でもこの力を使わないとなるとこの間師匠が死んだ時のような状況になった時どう戦えばいいというのだ…
僕の不安を悟ったように女性は話しはじめる
「まぁ心配するな、魔王の力なくとも君は十分戦える、君が寝てる間に色々と君をみさせてもらったよ
魔王の力を持つものは目の色が黒い、だがそれは黒い目で産まれてくるわけじゃないんだよ
君もちゃんと精霊の祝福を受けたんだ
だが産まれてすぐ魔王に力を宿された、でも君もちゃんと精霊の力も使える
今後は魔王の力に頼らず精霊の力で戦いな!
そしていつか魔王の力を自らの意思で使えるようになってもらうよ!」
急な話に僕はなにがなんだかわからなかった、
とにかく僕は魔王の力を制御する術を身につけないといけないということだけはわかった
「あっそうだ1つ言い忘れていたよ、君の本当の目の色だけど、驚いたよ君もどうやら2つの目を持っているようだね…」
「2つの目を?」
僕は驚きを隠せないでいると女性は続けた
「1つは緑、風だ、そしてもう1つなんだが…金…勇者と同じ目なんだよ…」
そう言うと女性は深刻そうな顔をして部屋を出ていった
 




担当:カズ



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